Cerezo Cup

Cerezo Cup


1学期最後の大会、セレッソカップでした。
アカデミーが始まり、3ヶ月の中で選手がどのくらい変化したのか、またサッカーに対してどんな感情を抱くようになったのか、ゲーム中にどんな振る舞いをするのかなど様々な視点から選手を見ること、なおかつ全選手が良いプレーする時間を確保することが私の狙いでした。
U8:「サイドを変えること」をやってきたのですが、いつ変えるのか、何を目印に変えるのかを落とし込むことができませんでした。質の高い選手だからできるではなく、チームでその作戦を実行できるようにしなければなりませんでした。個人の技術、スピードなど足りないところを挙げればキリがありません。今ある力を使って、最大限の力を発揮するのが、ゲームです。選手は一生懸命にプレーします。当然ミスもあります。9月からは競技志向の強いリーグ戦が始まります。より良いサッカーを体現し、その中で選手が躍動するようにトレーニングしていきます。
U10:私はこのカテゴリが一番ポイントとしているカテゴリでした。U9の選手がこの状況をどう捉えていたかがとても大切だと思います。毎試合ではないですが、自分に必ず出番が回ってくる状況でどうプレーするのか、どんなプレーをしたくてピッチに立つのか。今、自分に何ができるのかが試されたと思います。何もできなかった選手も当然います。成長の段階に魔法はありません。何も出来ないから少しできるようになり、2回に一回はできるようになり、当たり前にプレーできる、ミスすらしないなどという段階があります。失敗と成功の間にはその選手に応じた段階があります。選手は魔法を望みます。しかし、そんな魔法はない。次の段階を確実に踏むことが大切であると教えることが必要になってくるなと思いました。その段階の見極めは全て私の責任です。チームには何が足りてて、何が足りなかったのか。個人はどうしていくべきなのかということを再考しなければと感じました。
U12:戦っている選手がいました。全身を使い、タイ人や格上の選手に立ち向かっていく選手がいました。テクニックはありません。しかし、ポジションを守り、やるべき時にやるべきことをやれば戦えることがわかってきたのかもしれません。非常に嬉しく感じました。正直、感動しました。日本でサッカーは要素還元論ではないと学びました。芸術と同じで全体論であると考えています。彫刻や絵画は部分から取り掛かりません。全体から詳細へ向かって進めていきます。「戦う」ところはなんでも必要です。ドリブル、パス、試合中の振る舞い、ポジションを取ること全て相手が存在し、戦いの最中のプレーです。戦いの要素はどの状況でも切り離せません。「ミスしても戦うことが切り離されてないから、プレーを続けられる」そんな選手が出てきたことは我々にとってかなりプラスです。このプレーを続けられる選手はなかなかいません。今回負けてしまったチームにも数人しかいません。続けなくても勝てるチーム、誰かが続けてくれてカバーしてるチーム、続けることを求められていないチームなどあります。
ですが我々はアカデミーに所属する全員に自分や仲間にミスが起きたとしても戦っていることが途切れずプレーを続けられる選手にします。頭を働かせて戦い続けること、自分自身でプレーすることをやめないことという私の哲学でもあります。
この考えが好きなところはフットボールの感動的なゲームを引き起こす要因を含んでいるところと身につけた選手がどこのチームに行っても重宝されるほど大切な要素であることです。
人の入れ替わりがあるバンコクにいる限られた時間の中でこの要素だけは絶対に曲げたくありません。
また、本日は暑く遠方の中、応援に駆けつけていただきありがとうございました。
2学期もよろしくお願いいたします。