選手の競技力向上を考える

選手の競技力向上を考える


BPYC第2節が行われました。2学期は全ての選手の公式戦にて選手の出場時間を必ず連続的に半分以上確保することにチャレンジしています。
今までは長く出場する選手は100分、出場はするが短い選手は10分、5分刻みなど結局プレーの時間がほぼなく何もできない状態だったと思い、選手の変化をいつ観るのかと考えて、導入しています。指導者も試される試みです。様々なレベルの選手が出場した状態で、チームを機能させなければいけません。ある特定の選手の競技力向上のためにゲームがあるわけではありません。全員の向上に取り組みます。

今回は選手の競技力ついて自分の考えの整理も踏まえて、発信していこうと思っています。

どうやったらサッカーが上手くなるのでしょうか?
選手、保護者の皆様の色々な質問が全てここの問いに集約されているのではないでしょうか。
「サッカーが上手くなる」というこの文章、皆様の解釈は同じなのでしょうか?明確な基準や線引きがあるのでしょうか?
ここが一番大切だと思っています。
わかりやすいのは技術です。リフティングが何回できるようになった、技が出来るようになった。イコール、サッカーが上手くなったと言えるかを考える必要があります。
例えば料理です。カレーを作ります。野菜を切ります。人参を完璧な正方形に切るために、包丁捌きをめちゃくちゃ練習して、ついに完璧な正方形に切ることができるようになりました。
その人参の入ったカレーは美味しいのでしょうか?
答えはわかりません。美味しいのかもしれないし美味しくないのかもしれません。
技術のみではサッカーが上手くなったのかわからないのです。
技が上手くなった、リフティングが上手くなっただけであると考えます。しかし、ある程度は必要です。
よって一つの要素で上手くなったと捉えることは不可能であると思います。
私の中で一番大切にしていることは、選手が優劣を乗り越えて、チームの総合力を高めようとすることです。
戦術となるかもしれません。
「ベストメンバー」「スタメン」「レギュラー」とここを目指しプレーすること自体は悪くはないと思いますが、ベストメンバーから外れた選手、スタートではない選手、レギュラーではなく控えの選手はどんな気持ちでプレーしたら良いのでしょうか?
上記の選手が試合に出たら、事あるごとにベストメンバーではないから、スタメンではないから、レギュラーではないからと負のレッテルを貼られることになります。
私からすれば、競技力の高い選手がそれくらい補おう。または、指導者が他のメンバーや配置、チームのメンタリティでその子の競技力の低さを打ち消し、良さを出すような工夫をすれば良いのにと思ってしまいます。


競争を導入する際は相当、慎重にしないと特定の選手が起きてしまったミスを他の選手のせいにしたり、状況関係なしにやりたい事をやるような選手が出てきてしまいます。
競技力の差は必ず存在します。サッカー歴の違い、身体能力の差、生まれた月の遅い早い、障害の有無など様々な要因により、差が生まれます。
競技力の差がある選手を出したとしても、機能させることができるチームが素晴らしいチームであると考えます。
その状態へ持っていくために戦術的な要素が必要になります。相手を自分に引きつけて味方へパスを出す、目の前に相手がいなければ進む、味方が前を向いている時に、一人を越えた位置に立つなど、ボールを前に進めるための戦術的なプレーを習得しなければいけません。
この戦術的なプレーを行う際に関しては、技術も身体能力もある程度でいいのです。サッカーをやっている健康な子どもであればできると思っています。

本題に戻り、選手の競技力向上は技術が高い=サッカーが上手いという常識を超えて、技術以外に何があるのかを知ること、その中で良さを見出し、向上に取り組むことではないかと考えます。
常識を疑い、自ら変化の起こそうとする勇気を持った選手へ導いていきたいです。